ずっと、ずっと。(桐青…てか準太)

ずっと、ずっと言いたかったことがあります。




笑わないで、聞いてください。

「和さん…本当に、もう、引退しちゃうんすね」



利央が言った。

俺はただ、見つめていた。

その光景を。



野球部全員が集まっての引退式。

キャプテンの最後の言葉。



俺は、ただ見ていた。





ぼんやりと、考えながら。







あのときの投球が上手くいっていれば



あのときの打席で、ちゃんと打てていれば




俺が…打たれなければ。








「準太」






肩をかるく叩かれる。

振り返ると、いつもと変わらない先輩たち。




「カズさん…」
「今まで、ありがとな。お前とバッテリーくめて、よかった」






そんな『よかった』だなんて
過去形にしないでください。



俺はまだ





俺は…っ








「…後のこと、お前らに任せる」











終わらせたくなかった。



















「か…ずさ…っ」












やっぱり涙がでた。

泣くだろうな…なんて思っていたから

今日は目を見ないようにしていたのに。








「なんだよ、準太。お前、こんなときにまで泣くなよ。みっともねー」
「だって…俺はまだ…、カズさんに何も…先輩達に何も…」








そうだ


何も、いえていない。




何もかえしちゃいない。








俺なんかを、投手として使ってくれて


最後まで、一緒にプレーしてくれて


今まで
















「今まで…」




























































今　　ま　　で　　…
























































































「ありがとう、ございました」

















































涙でぼやけた視界に、ほんの少しだけ微笑んだ先輩たちの顔が見えた。














end










桐青…８巻は本当に切なかったな。


サイト様とか見てたら唐突に書きたくなったんです。

大好きですよ桐青。カズさん。準太。利央。みんな。