近づけない。近づかない(榛名夢？)

もう、届かないのかな。なんて


そんなこと考えてる自分にイライラする。

何でこんなに離れてしまったんだろう。


俺が一人考えても、そんな答え、出るわけなくて。




白球を握る指の感触が、いつもと違う。

力がのらない。

全力が出せない。

嫌な感じだ。





「榛名？あの…」
「なんだよ」
「…ううん、なんでもない」






グラブをベンチに叩きつける。

グランドではまだ練習が続けられていた。




それはまるで、俺がいなくても
時間はとまらない、戻らないということを
思い知らせるかのように。




残酷で。








「…っち」










軽い舌打ちは

風にかき消されてしまったけど。






















君は、もう。


















「あ、泉くーん！！」










「浅木ちゃん」
「一緒にかえろ！」
「うん、送るよ」















俺のものじゃなくて。












「あ、の…」
「ん？」













俺たちは、もう










「手、つないでも…い、いですか」













































戻れない。








































「いいよ」





























…残酷、じゃないのだろうか。



















end
(縮められないであろう、この距離を憎みさえする。)









あさぎへ捧げものです。
榛名…なんか、報われないね。
頑張ってほしいと思います。嶺さん！！

てか、痛いものでごめんごー。とりあえず、お祝いとお礼を兼ねて。