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HN:
海奈
年齢:
32
性別:
女性
誕生日:
1992/08/26
職業:
学生
趣味:
日々妄想(笑)
自己紹介:
一言で言ってしまえば腐女子です。
結界師にはまりまくり☆
少年ジャンプ系、ポップンミュージック、バッテリーなどなど大好きです!
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ほら、あいつがいる。
この階段を駆け上がった、すぐそこ。
この階段を駆け上がった、すぐそこ。
朝
まだ日が昇りきらない早朝。
肌寒さも薄れ、春は終わりを告げ、もうぐすぐ夏が来る。
待ち焦がれた季節だ。
「…兄ちゃん、もういくん?」
「なんだよ、こんな時間に」
「目が覚めてしもてな、そしたら、兄ちゃんが階段おりる音が聞こえたんじゃ」
パジャマ姿にうすいタオルケットをかけ、真っ直ぐに自分を見つめ弟は言った。
「いってらっしゃい」
「…いいから、早く部屋もどって寝てろ。風邪ひくぞ」
「うん」
片手にグラブ、ポケットの中には白球。
どちらも、ランニングには不必要なものではあるけど
毎日のように俺はそれを持って、走っていた。
戸に手をかける。
外の空気に、今までの寒さは感じられない。
桃の花も、梅の花も散った。
あたりの木は、新緑を生い茂らせ、姿を変えようとしている。
「……」
大きく空気を吸い込んで、吐き出す。
数回その動作を繰り返し、走り出した。
目的地は神社。
そこに、今日もあいつはいるだろう。
大木にもたれかかり、そこに立っている。
最近は毎日いるな…。
「は……はぁ…」
息を弾ませ、階段の前まで来た。
呼吸を整えてから、神社の階段に足をかける。
…もうすぐ。
「…豪」
「あ、巧。今日はえらくゆっくりじゃな」
「…そうでもないだろ。2、3分くらいしかかわんねーよ」
そう言って、豪へ白球を投げ渡す。
俺が、ランニングに不必要なボールとグラブを持ってここまでくる理由はこれだ。
「やろうぜ、豪」
「あぁ」
息を整え、そう言い放つ。
グラブに手を通し、キャッチを繰り返し、距離をとる。
マウンドとホーム。
18,44メートル。
俺たちの距離。
俺たちが、一番、らしくあれる場所。
「来い、巧」
あの大木のところに、豪はいる。
何故?どうしてだ?
問うのは簡単だろう。
でも、そんなことしない。
神社の階段を駆け上がる。
弾む呼吸、心拍。
想い、思い。
もうすぐだ。
あの木の向こう側には、あいつがいる。
忘れちゃいけない、俺たちの距離。
end
(これが何より丁度いい。)
まだ日が昇りきらない早朝。
肌寒さも薄れ、春は終わりを告げ、もうぐすぐ夏が来る。
待ち焦がれた季節だ。
「…兄ちゃん、もういくん?」
「なんだよ、こんな時間に」
「目が覚めてしもてな、そしたら、兄ちゃんが階段おりる音が聞こえたんじゃ」
パジャマ姿にうすいタオルケットをかけ、真っ直ぐに自分を見つめ弟は言った。
「いってらっしゃい」
「…いいから、早く部屋もどって寝てろ。風邪ひくぞ」
「うん」
片手にグラブ、ポケットの中には白球。
どちらも、ランニングには不必要なものではあるけど
毎日のように俺はそれを持って、走っていた。
戸に手をかける。
外の空気に、今までの寒さは感じられない。
桃の花も、梅の花も散った。
あたりの木は、新緑を生い茂らせ、姿を変えようとしている。
「……」
大きく空気を吸い込んで、吐き出す。
数回その動作を繰り返し、走り出した。
目的地は神社。
そこに、今日もあいつはいるだろう。
大木にもたれかかり、そこに立っている。
最近は毎日いるな…。
「は……はぁ…」
息を弾ませ、階段の前まで来た。
呼吸を整えてから、神社の階段に足をかける。
…もうすぐ。
「…豪」
「あ、巧。今日はえらくゆっくりじゃな」
「…そうでもないだろ。2、3分くらいしかかわんねーよ」
そう言って、豪へ白球を投げ渡す。
俺が、ランニングに不必要なボールとグラブを持ってここまでくる理由はこれだ。
「やろうぜ、豪」
「あぁ」
息を整え、そう言い放つ。
グラブに手を通し、キャッチを繰り返し、距離をとる。
マウンドとホーム。
18,44メートル。
俺たちの距離。
俺たちが、一番、らしくあれる場所。
「来い、巧」
あの大木のところに、豪はいる。
何故?どうしてだ?
問うのは簡単だろう。
でも、そんなことしない。
神社の階段を駆け上がる。
弾む呼吸、心拍。
想い、思い。
もうすぐだ。
あの木の向こう側には、あいつがいる。
忘れちゃいけない、俺たちの距離。
end
(これが何より丁度いい。)
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