04* この空の果てまで、共に(希求)

それからというもの、とにかく猛勉強…。




や、素振りとシャドーピッチングはかかしませんでしたけど。

「…ありえん」




受験日当日

グランドを見に行くと、そこには雑草が…っ





「…これ、ホントに野球部あんの？」
「あるよ」
「……んぁ？」





いきなり後ろから肩を捕まれて
素っ頓狂な声をあげてしまった。


「今年から、ここ、硬式になったんだよね」
「あ、そうなんですか」




先生…？


にしては、若いよな




黒いロングへヤーの女性だ。




「あなた、ここの受験生？」
「はぁ…………あっもうすぐ始まる！？」
「頑張ってね」
「あ、ありがとう、ございます…？」





とにかく急いで受験会場へと走った。



なれない校舎を走っているうちに、勢い余ってぶつかってしまった。




――――――――ドンッ






「…った」





しりもちつきそうになったところを
間一髪腕を支えられた。



…腕、あんま触られんの好きじゃないけど。





「わり、急いでたから」
「こっちこそ。え、何？あんたも受験生？」
「そうだけど…急いだほうがいいみたいだ」
「…だね」










走った。

なんとか間に合った。


そこには田島がもう席に座って、こっちに気づいたらしく
小さく手を振っていた。








「…あ、さっき…お礼言うのわすれた」







まぁ、いいか。

とにかく、本番だ。
大丈夫、と受かることを願う。














窓の外に視線を向ける。





そこには青い空が広がっていた。












そうだ。


あいつと一緒でないと、意味がないのだから。







手放したくない。


自分でも驚くような執着。








(空は何処までも続いていた。)