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プロフィール
HN:
海奈
年齢:
32
性別:
女性
誕生日:
1992/08/26
職業:
学生
趣味:
日々妄想(笑)
自己紹介:
一言で言ってしまえば腐女子です。
結界師にはまりまくり☆
少年ジャンプ系、ポップンミュージック、バッテリーなどなど大好きです!
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いつからか、私の全ては


貴方でした。




この手に、掴むことの出来なかったもの。


今まではそんなもの、簡単に諦めて
手放してきたのに。



「ねぇ、柚菜ちゃんって、なんで野球部に入ったの?女子の部員って、公式戦でれないのに」
「ん?んー…なんでだろ」



クラスでの友達との会話。


たわいない話で盛り上がるのは嫌いじゃない。






でも、簡単に心情を聞きだそうとするのは
些か嫌悪感を感じることもある。






「うー…野球が好きだからってのは、理由にならない?」
「ううん、いいと思うよ!だって私、柚菜ちゃんが野球してると見るの好きだもん。すっごいかっこいいし」
「ははっ。ありがと」





本当は





何かに熱中できれば、何でもよかったんだ。



野球に興味があったのは事実。
小学校のときも、学校外で野球チームに所属していたのだから。




…だからといって、中学に入るまで野球を続けるきなんて
毛頭なかったのだ。








テキトーに部活動を見回っていたとき




あいつを見つけるまでは。


















――――――カキンッ





金属のいい音がした。


視線を向けると、目の前に白球が迫ってくる。




思わず手に持っていたグラブを構え、受け止める。




…重い。




「おー、ナイキャ!!」



向こうからバットを持った少年が走ってくる。
最初の印象は、小柄だな…だった。



「…さっきの球、あんたが打ったの?」
「そ。思いのほかよく飛んじゃってさぁ。よくとれたな」
「…なめないでよね」




『よく取れた』?


ふざけるな。





甘く見ないでほしい。







思わずはってしまった、意地のせい。


「…私、野球部入部希望者なんですけど」
「マジ!?俺も今ちょっと打たせてもらってんの」




なんの屈託もない笑顔で


言った。





その笑顔に、一瞬
ドキリとした。




それと同じくらいの、期待。








「…あんた、いい打者だね。さっきの球、重かった」
「お前もナイスキャッチ!」










…ほしいものなんて、なかった。













あの日、あいつに会うまでは。











(出会ってしまった、運命。)
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